191. 放屁3

 最近、我が家が線状降水帯の渦中に入ってしまい、なかなか過酷な状況に見舞われました。少しずつ平常モードへと切り替えつつあるものの、なんだかんだと被害は残っており、少々頭を痛めているところです。自然現象ゆえ仕方がないとは言え、次の被害に対する迎え方やシミュレーションは、もっと突き詰めておかなければいけないと痛感いたしました。今回の事態はなかなか読み切れないものでしたが、この教訓をどう次回に活かしていくかが今後の課題です。

当日は夜中じゅう激しい豪雨と雷に見舞われ、非常に騒がしい一夜となりました。途中で何度も目を覚まさせられましたが、そのたびに「寝よう、とにかく寝よう」と執念で粘り、小間切れながらも合計で8時間ほどは睡眠を確保いたしました。幸いにもお盆休みの最中だったため、通勤の心配をせずに済んだことや、家族全員が揃っていたのは不幸中の幸いでした。なにしろ物理的に家から出られない「籠城」状態が丸二日ほど続き、水が引くまで待つしかなかったのですから、冗談抜きで大変な数日間でした。

そんな非常時であっても、睡眠に対する情熱だけは失いません。ここ最近はとにかく睡眠時間を多めに確保することを心がけております。土日であっても夜更かしは避け、8時間以上の睡眠をとるようにすると、目に見えて体の調子が上がってまいります。これだけ寝てもなお、日中に眠気が襲ってくるのは一体どういうことなのかと、自分でも首をかしげたくもなりますが。

また最近は、動画配信サービスの契約を無理に延長せず、デジタルウェルビーイングのルールをしっかりと守る試みを行っております。デジタルと適度な距離を置くことが、結果として心身のギャップを埋めるのに役立つのではないかという実験の最中です。睡眠を十分に取ると気持ちに余裕が生まれるという、あまりにも当たり前すぎる事に、この歳になってようやく心から納得いたしました。「早く寝なさい」「さっさと寝ろ」という昔からの教え通り、ただ寝るだけで解決する問題が世の中には案外多いのだと、いま切実に感じております。自分にとってはいい発見でした。

もちろん世の中には、寝たくても自分の意思では眠れない方もいらっしゃいますから、大変なことだと思います。私の場合、前日に寝過ぎたときを除けば、睡眠不足の翌日には体が強制的に眠りを求めてくる体質のため、これは本当にありがたいことだと感じております。本来ならワクワクするような面白いコンテンツの途中で落ちてしまうのは、体が自律的にスイッチをオフにしているからなのでしょう。面白さに任せてのべつ幕なしにコンテンツを摂取するのは、やはり体に無理を強いているのだと思います。

人間には「とりいれ」と「くりだし」のバランスが必要なのだと痛感します。そうした意味でも、私が「くりだし」として定義している「7時間半以上の睡眠」というラインは、あながち間違っていなさそうです。一般的に睡眠はエネルギーを補給する「とりいれ」と考えられがちですが、実は能動的な作業でもあります。眠っている間に脳内では昼間の情報整理が行われているだけでなく、ノンレム睡眠時には脳圧の変化によって「グリンパティックシステム」が働き、約50秒に1回のポンプ運動でアミロイドβなどの老廃物を洗い流しているそうなのです。

この圧倒的な排出効果を考えると、睡眠は紛れもなく「くりだし」であると確信しております。しっかり寝た翌朝のすっきりとした体感からも、確実に体から何かを出しているという実感があります。いささか大雑把な定義ではありますが、自分なりのひとつの結論として受け止めております。「とりいれ」ばかりに偏ると体験も薄まってしまうというわけです。身体の変化に対する悲哀も含めて、どうかおじさんの戯言として受け止めていただけますと幸いです。

もっと体を鍛え上げてスパルタ式に過剰摂取に耐える、まだまだ現役で突き進むという道も当然あるのでしょう。しかし私としては、その狭間でゆらゆらと彷徨うくらいがちょうどいいのかもしれません。いくら「とりいれ」を調整しているとはいえ、もし強烈に面白いコンテンツに出会ってしまったら、どうなってしまうかは分かりません。ただ、そこは抜かりなくスマートフォンに厳しめの使用制限を設定してありますので、時間が来れば強制終了されます。自分の意志だけに頼らない仕組みづくりこそが、いまの私には必要なようです。


今回の思考実験は「放屁3」

自分だけにカスタマイズした 日々に倦んだ ケガレを解消する _ハレの計画を考える。

以上です。

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