197. 蚊帳の中
AI、いわゆるアーティフィシャル・インテリジェンスですが、みなさんは日常で使っていらっしゃいますでしょうか。 私自身はといえば、仕事でもプライベートでも、もうかなりの勢いでどっぷりと使い倒しております。もはや、これがなかった頃はどうやって過ごしていたのだろうと、自分でも思い出せなくなっているほどです。 新しい技術というものは、あっという間に人々の暮らしに浸透し、当たり前のように定着してしまうものですね。スマートフォンもそうでしたし、きっと昔のテレビもそうだったのでしょう。なかった頃のことをあれこれ思い出しても、仕方がないのかもしれません。……と言いつつ、デジタルデトックスとして3日ほど山にこもり、それらがない世界で過ごしてみたら、何か大切なことを思い出せるのかもしれないですね。ない方が、案外心も身体も休まるのでしょうか。いやはや、どうだったでしょうか。 そんな風に今でこそAIを使い倒している私ですが、そういえば昔、MSXというもので遊んでいたことを思い出しました。MSXと聞いてもピンとこないかもしれませんが、ファミコン全盛期にマイクロソフトとアスキーが開発した家庭用パソコンです。プログラムも扱えるゲーム機といった趣で、当時はユーザーもかなり少数派でした。圧倒的なシェアを誇るファミコン全盛の時代に、なぜわざわざMSXを選んだのか不思議ですが、そのおかげでマニアックな友人たちと深い関係を築けた気もしています。 そのMSXに、今思えばとてもシンプルなチャット型の「AIもどき」がありました。たしか雑誌に掲載されていたプログラムを必死に入力した記憶があるのですが、当時の私はそれにすっかりハマっていました。本当に簡易的なものでしたが、コンピューターと会話ができているという感覚そのものが、たまらなく面白かったのです。 私はしばらく遊んだ後に飽きてやめてしまいましたが、あの頃もっと深くハマった人たちもいたのではないでしょうか。自分でプログラムに改良を加えたりしながら没頭し、もしかするとそんな体験を経た人が、今のAIエンジニアになっているのかもしれません。そう考えると、なんだか胸が熱くなりますね。 しかし、当時の拙いプログラムでさえかなりの衝撃だったのですから、今のAIの進化には本当に驚かされます。あまりにも話が通じるので、中に人間が入っているのではないか、あるいはAI自身...