135. 受け身の姿勢

 ものすごい暑さですね。もう、いろいろやる気がなくなってしまいます。でも、アイスクリームを食べたいという欲求だけは衰えません。むしろ、うなぎのぼりです。しかし、あんなに甘いものをたくさん食べるのも考えものですよね。

脂肪肝に関する動画を見てから、ジュースや果糖の入った甘い飲み物が怖くなってしまいました。健康そうに見えて、実は全然逆だったりするんです。果汁入りの甘い野菜ジュースも、果物の入ったスムージーも、実はヤバいらしいと。「うそだろ?」と思いますよね。

なぜ、私はあの動画を最後まで見てしまったのでしょうか。なぜ見たのか、自分でもよく分からないのです。おそらくサムネイルに釣られてしまったのでしょう。情報に踊らされているだけのような気もします。健康に気を遣っている人を狙った「おじさんホイホイ」に、まんまと引っかかってしまったようです。健康診断で少し悪い結果が出た人がターゲットなのでしょうね。

「見出しに惹かれて動画を最後まで見てしまったおじさんは、頭にハテナマークが浮かんでいる」というのは、あながち嘘でもありません。あの動画をなぜ見たのだろうと、振り返って考えてしまうのです。

しかし、あの動画を作った方は、決して金儲けだけを考えているわけではないと思います。アクセス数を稼ぐためだけではなく、公益性の高い情報、いわゆる予防医学を広めようとしているのではないでしょうか。国民の健康が増進されれば、医療費の抑制にもつながりますから。

むしろ、果糖飲料を作っているメーカーからすれば「不都合な真実」でしょうし、動画を配信している企業も、スポンサーを敵に回すようなことはしません。そう考えると、あの動画は誰も悪くない、むしろ良いことばかりのように思えてきます。みんなが動画を見ることで医療費の負担が減るのですから、良いことですよね。

でも、動画の作り方としては「驚かせてなんぼ」といった手法が使われていました。巧妙な編集で、権威のある先生からショッキングな事実を引き出す。まんまとそれに引っかかって、時間をかけて最後まで見てしまった私。しかも、その情報をうっかり内面化してしまいました。我ながら、なんて単純なのだろうと思ってしまいます。

もちろん、それだけで終わってはだめです。あれをきっかけに、編集されていない正しい情報を違う角度からも集める必要があると分かってはいるのですが、すでに脳内ではアラートが鳴り響いていて、しばらくは甘い飲み物を飲まないと思います。コーヒーと、お茶と、水だけですね。

……と、言いたいところですが、この前ハンバーガーと一緒にドクターペッパーを飲んでしまいました。大丈夫かな、これ。その時、一瞬コーヒーにしようかと思ったのですが、すぐに「まあ、たまになら良いか」と考え直してしまいました。肝細胞は休ませれば復活する、みたいなことを、あの動画で仕入れた情報で思ってしまったのです。肝臓の細胞は再生能力が高いそうで、70%切除しても3ヶ月後には80%くらいに再生するらしいですよ。

このように、私は精査していない情報をすぐに取り入れて周りの人に話してしまいます。内面化するのが早すぎるんですよね。

このような「アラートが鳴っちゃう系」の動画がたくさんありますが、次々と取り入れていると心に良くないような気がします。どうなのでしょうか。

まあ、そこは人それぞれで、うまく取捨選択していくことが大切だと思います。つまり、「じゅばり」です。これは「受けるの『受(ジュ)』」「分けるの『分(ブン)』」「存在の『在(アリ)』」を並べて、詰めて言った造語です。言い換えれば「センサー」「フィルター」「メモリー」。情報を取り入れるときの姿勢というか「構え」のようなものでしょうか。

私は、この「じゅばり」を意識して情報を取り入れるようにしています。ずっとではありません。一呼吸の間、最初にフッと考えるだけです。はい。


今回の思考実験は「受け身の姿勢」

脳内には情報を受け止め、選別し、記憶する、センサー、フィルター、メモリーの機構が備わっていると仮定すると暴露系動画も、まずセンサーで感知し、フィルターで信頼性を精査。最終的にメモリーに留めるか取捨選択できるので、情報に振り回されず、心の平穏を保てるでしょう。この自己防衛機構について考えよう。

 以上です。

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