126. 蝶舞蜂刺

 最近、やらなければいけないことが山積みで、思考の時間を後回しにして、とにかくタスクを片付けなければならない状況にあります。わかってはいるのですが、じっくり考える時間が取れないと、まさに今、考えたいこと、材料や準備が整っているかもしれないことでも、一旦ストップして、全く別のタスクに素早く切り替えなければなりません。社会で生きる身としては当然のことかもしれませんね。

思考を後回しにするというのは、まさに会社の仕事で染み付いていることです。ただ、ものづくりやクリエイティブな仕事となると、私の場合、助走が必要なんです。ノリとか、ゾーンとでもいうのでしょうか、うまくセットできると集中して進められるのですが、そこに入るまでの助走にまだバラつきがあるのかなと感じていました。

いえいえ、実は最近、そうでもないという実験結果も出てきているんです。どっちなんだ、という話ですよね。これまでは、というか、ずいぶん長いこと助走がネックだと自己評価していました。それでも一定のパフォーマンスは保っていましたが、自分としてはノリがいまいちで、絞り出すように作業していた感覚がありました。もしかしたら、本当に集中が途切れていたのかもしれません。電話のコールはやむを得ないとしても、背中越しのドアの開閉などが、常にセンサーを起動させていたのかもしれない、なんて思ったりもします。

動物的に見れば、周囲に常に神経を尖らせておくのは、危険回避の面から必要だという解釈もできますよね。そんな学説はないと思いますが、単一の作業に集中しすぎない個体が、人間のグループには必要だったのではないかという仮説も考えられます。なんだか都合の良い解釈をしている気がしますが、物事はもっと複雑ですよね。

いずれにせよ、視線や気配を感じると、本当に集中できなくなるのは事実です。でも、多かれ少なかれ、誰にでもそういうことってありますよね。だからこそ、その性質を逆手にとって、あえてそういう状況を作ってしまうのも一つの解決策だと気づきました。それができない状況では、ゾーンに入るためのトリガーとなる行動を探し、環境から自分の行動を促す工夫をするんです。

当たり前のことかもしれませんが、図書館に行って学習したり、塾で勉強したり、道場で稽古したり、会社に行って仕事をするのと一緒です。突き詰めて考えれば、本来は身につけていなければいけないことなのかもしれません。しかし、そうした基本的なことを見過ごしていることも多いですよね。単にその場所に行けば良いというものでもなく、さらに細分化して、例えばデスクでコーヒーを一杯飲むとか、手を洗うといった、スイッチを入れる行動もあるのかもしれません。

そうしたことを自然にやっていたはずが、長年行動していると、サビついてくるというか、スイッチの入りが悪くなるのかもしれません。まさに形骸化ですね。たまには見直しも必要なのかもしれません。内省、というとちょっと大げさですが、自分のフォームを確認して修正するくらいの、ライトな思考の整理として振り返ってみました。


今回の思考実験は「蝶舞蜂刺」

1. 石の村は極度に集中しやすいタイプの集団
2. 水の村は常に注意が拡散しやすいタイプの集団
3. 狼の群れが村に迫ってくる状況
4. それぞれの村の対策と結果を考察してみよう

 以上です。

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