134. 影絵
ジェームズ・ガン監督の『スーパーマン』、本当に楽しみです。MCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督さんということで、個人的に彼の作風がとても好きなんです。キャラクターの描写が本当にうまくて、繊細に描き切っているというか、抜かりがないんですよね。一挙手一投足に意味が込められているように感じますし、解像度が高くて、そこに世界が存在しているような感覚になります。それでいて、軽妙でウィットに富んだ、芯のあるギャグもあって、安心して作品に没入させてくれるんです。乱暴さや下品さ、表面的なやかましさも、悲しさやそれを包む優しさへの布石になっていると感じます。
まさに私が求めていたものがここにある、という感じですね。日々すり減っていく心にとって、本当に助けになっています。『スーパーマン』には、今から期待が膨らんでいますよ。ちょうどこの原稿を書き始めた時点では、封切り直前だそうです。
この時代、単純な勧善懲悪が成り立つとは思わないのですが、なんだかんだ言っても勧善懲悪が好きなんですよね。バットマンよりは、素材的に可能でしょうから、そういう意味でも期待してしまいます。
ぜひNetflixで、単純な勧善懲悪で1話ごとに完結するタイプのドラマを、シリーズでスーパーマンを、たくさんのキャラクターを出して、お金をかけてガン監督に作ってほしいです。毎回同じパターンでいいので、裏にシリーズを通したシナリオを走らせておけば、伏線回収が好きな人たちも納得すると思いますから、それはそれでやってもらって。基本は、1回ごとにピンチと退治を同じタイミングで入れるパターンでどうでしょうか?
…と、誰にお願いしているんでしょうね、まったく。こんなのどこにも届きませんから。しかも、なぜここまで私がこれを求めているのか。1回ごとの勧善懲悪って、そもそも何なんでしょうね。あれって、なぜできたんでしょう。手抜きだったら逆にすごいですよね。パターン化してリソースを節約するとか?
でも、それも伝統芸能なんでしょうね。歌舞伎とかもそうなんですよね? 毎回同じ演目でキャラクターがいて、ここで敵を倒す、みたいな再現ドラマの最高峰のような。また、アドレセンスの話になってしまいますが、ワンショットすごいと思っていましたが、演劇ってまさにそういうことですもんね。毎回リアルタイムで本番をやっているんですから。
そうそう、一体何の話でしたっけ? いや、歌舞伎とかですね。歌舞伎は詳しくないですが、時代劇とか。水戸黄門とか、越前とか、金さんとか、だから何度観ても、若干のバリエーションはありますけど、でも基本は、弱いものを叩いて、悪いことをして利を得る悪役がいて、民衆が困っているところを正義が裁くというパターン化した構成ですよね。最後に引導を渡してすっとする、「よっしゃきた」という感覚。もうこれは思考停止ですよね。止まっているから楽なんですね。いいんです、いいんです、安心感なんです。余計なことを考えなくて済みますからね。
でも、今もそういえばアンパンマンが残っていますね。このテンプレートで言うと、戦隊モノとか、仮面ライダーも同じ構成なんでしょうか? 今は違うのかな、どうなんでしょう。だから、ずっと需要はあるんですかね。というか、分かりづらくしているだけで、基本はドラマってこれが埋め込まれているんでしょうか、今でも。
それはないですかね。まあいいや、分かりません。事情も知らないですし、そうですよ、コンテンツ離れしていたから全然見てないくせに。でもまあ、これは希望ですから。そういうのがあったらあったで、何か違うんだよなあ、ってなりそうですが。はい、勝手ですね。まあ、探してみます。
今回の思考実験は「影絵」
1. 悪名高い人物の舞台化
2. 義務による行動との最新の研究結果
3. 従来の勧善懲悪を求める観客
4. 新しい価値観を提案したい制作者
以上です。
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