170. 走らない馬

 「朝ヨガ」から流れるように「一番思考」へと移る時間は、まとまった時間さえあれば、本当に心地の良いものです。最近では、その時間が欲しくてたまらなくなっている自分に驚いています。

そもそも「朝ヨガ」といっても、それほど大げさなものではありません。起き抜けにほんの十分ほど体を動かす、ただそれだけのことです。しかし、そのわずかな習慣が交感神経へのスイッチをスムーズに入れてくれます。そして、その勢いのまま朝一番に脳を動かす活動をすること、それを私は「一番思考」と呼んでいます。

世の中には、こうした儀式がなくても自然にオンとオフを切り替えられる方が多いのでしょう。ルーティンは人それぞれですが、私にとってこの「一番思考」は、時間さえ許せばいくらでも可能性を広げていける、そんな予感に満ちた習慣なのです。

もちろん、現実はそう甘くもありません。残業が続いて時間が押してくれば、やはり眠りを優先してしまいます。週に三日の筋トレを無駄にしないためにも、筋肉の回復に必要な睡眠を確保するのは、当然の選択と言えるでしょう。

仕事に関しては、今ちょうど新しいことに挑戦している最中です。内容自体が非常に興味深く、そちらで多くのアウトプット……いわゆる「くりだし」を行っています。ですから、仕事での頑張りに対しても自分なりの「しれじポイント」を付与して、心のバランスを取るようにしています。自分を甘やかすのではなく、あくまで調整のため、と自分に言い聞かせながら。

この「一番思考」から抽出された言葉をSNSにポストする行為を、私は「今日の一言」として、あえて脈絡もなく放出しています。これは以前お話しした、自分の中に足りない「くりだし」を補正するための案なのですが、やってみるとなかなか面白いもので、今後も続けていくつもりです。思考の出汁(ダシ)を絞り出し、それを放って終わりにすること。この「締め作業」があることで、思考に心地よい区切りがつくのです。

不思議なことに、最近はこの流れが驚くほどあっさりと回り始めました。かつてはあんなに激しく「もう絶対やらない」と否定していたはずの「一番思考」が、です。

なぜこれほどスムーズに回り出したのかを考えてみると、実はその「拒絶」こそがポイントだったのではないかという気がしています。自分の中に生まれた強い禁止の念が、逆説的に回転力を生み出し、大きな「渦」を作っている。そんな仮説を立てて、その秘密を解き明かしたいという好奇心に駆られています。万人向けの法則ではないかもしれませんが、私にとっては確かな手応えがありました。

ところが、この成功体験をそのまま「キャラグッズ制作」の方にも応用しようとしたところ、こちらは早々に挫折してしまいました。予定が空いて急に時間ができた日に少し進めてはみたものの、どうにも仕上がりが納得できず、現在は保留の状態です。手をつけてはみたものの、心の重さが「一番思考」の時とは決定的に違っていました。

そこで改めて、「一番思考」が回っている条件を整理してみました。ヨガを含む一時間の活動で、自分に二ポイントを与えるというぼんやりとしたルール。三十分以上一時間未満でも良しとする。そして、スプレッドシートに週一回の完了チェック欄を設ける。その程度の緩やかなノルマが、功を奏したようです。

成果を急がず、まずはやってみる。結局のところ、自分という存在を攻略するのは、なかなかに手がかかるものです。ただ、最近ようやくそのコツが見えてきました。それは、「やりたくなければやらなくていい」という逃げ道を作っておくことです。

「やるぞ!」と意気込む力と、「やらない!」と突き放す力。その両極端に心を振ることで、自分の中に強いエネルギーの渦が生まれる。それはまるで御者が手綱を捌くように、あるいはニンジンとムチを使い分けるように、自分の内面を操るための繊細な仕草なのかもしれません。

今回の思考実験は「走らない馬」

目的に向かう馬車。ムチをふるってもニンジンを与えても馬が動かない。御者は頭を抱えている。さらに強いムチをふるうのか。それとも大量のにんじんを与えるのか。ほかに方法は?

以上です。

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